その灯火が消えるまで






『すげえ、すげえな…………!』







僕の目の前には、小さな光がたくさん
浮いていた。



さっきまでうっすらと周りが見えるだけだったのに、


その光の辺りだけ、景色が見渡せる。




ご主人はさっきまでの悲しい顔が嘘のように笑っていた。


笑ってるのに、泣いてる。




変なご主人。


『クゥン?』



どうしたの?


そう言ってみると、ご主人は僕を見てさらに笑った。




その夜、ご主人はやっぱり変だった。







< 411 / 413 >

この作品をシェア

pagetop