その灯火が消えるまで
「翼!ここいい?」
「おう!座れ」
結灯は俺と翼の間にずいっ、と座る。
………俺の許可は得る必要ないんですか。
俺がじとっ、と見ると
「いやいやぁ、貴也くんのことですからきっと『やだ』って言うと思って」
言ってもないのにそう答える結灯。
「ははっ、だんだん貴也の行動とか言動とか読めるようになったよな」
と、翼。
「意外と単純なやつなんじゃない?」
と、瑠衣。
「………おまえらなぁ」
「貴也に近付けた証拠だ」
結灯を見ると。
川の方を向いて、歌でも歌い出しそうなくらい、嬉しそうにニコニコしていた。