その灯火が消えるまで
ヴー、ヴー、ヴー………
「あれ?なんか鳴ってね?」
翼が言って、後ろを見る。
スマホは、川に間違って落とさないように後ろにおいてあった。
鳴っていたのは、俺のスマホ。
「貴也。竿持ってるから出てきなよ」
結灯がそういうので、ありがたく託す。
「ああ。よろしく」
俺はスマホを取って、みんなから離れたところへ移動する。
そして、
よく画面を見ずに、指をスライドさせた。
これが、俺の間違いだった。