その灯火が消えるまで
「あ、もしもしー?
お電話変わりましたー。
只今、貴也くんは大きな魚を釣ったので立て込んでおりますー。
……あー、苦情はのちほど折り返しお電話くださいますればたぶん貴也くんが対応してくれると思いますのでー。
……え?
今とーっても忙しいのでごめんなさーい。
ではさよーならー」
ブツッ
俺の耳には、こんな風に聞こえた。
「え……ゆ、結灯……?」
俺のスマホをの電源を切った結灯は振り返って
「あはー、ごめん切っちゃった!
邪魔してごめんよ。
あんまりにでっかい魚が貴也の竿で釣れちゃったからさ。
早く見せたくって」
いつものように、にっこりと笑う。