truth
「じゃ、馬鹿に頼らず1人で来ればよかったじゃないですか」
「私が…車を運転出来ないのを知らないのか?」
睨まれるが気にしない。
ここで引けば負けだ。
「いいえ。…ですが信じられません。何でも器用にこなせるお嬢様が、たかが…たかが車の運転が出来ないなんて!」
嫌味気に言うと、さすがに機嫌を悪くさせたらしい。
踵を返し、公園から出ていこうとする。
「どこへ?」
「関係ない!!」
「そうですか。」
足を止める雰囲気はない。
「ですが、後で迷子になったからと言っても迎えにこれませんよ。」
「隼人以外の人に…」
「それ以前に、携帯もカードも全て私が預かっていますが?」
「返せ!」
手を伸ばしてくる。
「見栄を張らず、車に乗って下さい。まぁ、携帯もカードも無い状況で帰れるなら構いませんが…。」
勝った。
彼女は黙り車に乗り込んだ。
しかし、相変わらず機嫌は悪そうだ。
仕方ない…機嫌を直してもらうか。