純情シンデレラ
「特に何も」
「何も?“お嫁さんになりたい”とも思わなかったのか?女の子なら誰もが一度は夢見るものだろ」
「うーん・・もしかしたら私もそう思ったことがあるかもしれないですけど、覚えてないです。“お花屋さんになりたい”とか“パン屋さんになりたい”とか夢見たかもしれないけど、それも覚えてないんです」
「・・事故の後遺症か」
「いえっ!違います。本当に、ただ覚えてないだけ。子どもの頃の記憶って、そういうものじゃないですか?」
「確かに俺も、20年以上前の出来事を、隅から隅まで覚えてないな」
「でしょ?逆に私は事故に遭って、結婚はしないと決めました」
「な・・・」と言った松本さんが立ち止まったので、私も立ち止まった。
でも、「何故だ」と聞いてきた松本さんがまた歩き出したので、私も歩いた。
「何も?“お嫁さんになりたい”とも思わなかったのか?女の子なら誰もが一度は夢見るものだろ」
「うーん・・もしかしたら私もそう思ったことがあるかもしれないですけど、覚えてないです。“お花屋さんになりたい”とか“パン屋さんになりたい”とか夢見たかもしれないけど、それも覚えてないんです」
「・・事故の後遺症か」
「いえっ!違います。本当に、ただ覚えてないだけ。子どもの頃の記憶って、そういうものじゃないですか?」
「確かに俺も、20年以上前の出来事を、隅から隅まで覚えてないな」
「でしょ?逆に私は事故に遭って、結婚はしないと決めました」
「な・・・」と言った松本さんが立ち止まったので、私も立ち止まった。
でも、「何故だ」と聞いてきた松本さんがまた歩き出したので、私も歩いた。