純情シンデレラ
「この書類を部長に渡したら終わり。だからこの辺で待っててくれよ。一緒に帰ろ」
「うんっ!」
「出(いずる)も終わりだろ?見上さんも一緒にさ、4人でごはん食べに行こうよ」
「あぁ・・ごめんなさい。私はこれから予定があるので」と断ると、松本さんが私の方をジロッと見た・・・ような気がした。

「あ、そうか。じゃあまた今度・・・」
「ちょっとそこのメガネちゃん」

こ、この声は・・・!
そして私のことを「メガネちゃん」と呼ぶのは、あの人しかいない・・・。

気持ち肩を落としながら、声がした方をゆっくりふり向くと。
やっぱりそこには姫路さんが、腕を組んで優雅に立っていた。
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