純情シンデレラ
「あの、ライバルって誰の・・何のことですか」
「あなたは松本さんのことが好き。ということはメガネちゃん、あなたはあたしの恋敵ということ。そうでしょ?」
「だっ、だから・・・私は松本さんのことをそういう風に思ってはいないと言ってるじゃないですか。それに、有栖川さんと“よろしくやってる”という発言だって・・。一体どこから来たのかは分からないけど、有栖川さんと私は友だちです。それ以上の関係はありません」
「あらそう。あなたの言う“友だち”って、随分・・・範囲が広いのね」
「はい?それはどういう・・」
「あなた、有栖川志朗と抱き合ってたでしょう」
「・・・え?」
「あたし見たんだから。車で通り過ぎたから、チラッとしか見えなかったけど、“王子”と呼ばれてる有栖川の3男と、メガネをかけてるあなたの姿くらいはちゃんと分かったわよ。どうなの?メガネちゃん。何か言うことはないの?」

そう言って、どんどん詰め寄る姫路さんや、宇都宮さん、素子さん、そして・・・松本さん、近くにいるみんなからの視線をひしひしと感じて、私の心はどんどん落ち着かなくなっていく。

私は何も悪いことをしてないのに。どうして・・・。

< 299 / 530 >

この作品をシェア

pagetop