純情シンデレラ

「あれは・・・あのとき私は友だちとして、肩を貸しただけです。私の肩なんて小さなものだけど、それでも・・何もないよりマシだと思ったし」
「ということはあなた、有栖川志朗と抱き合ってたと認めるのね」
「・・・はい」

私が静かに事実を認めると、宇都宮さんと素子さんは、素直に驚いた顔をした。
松本さんは、まるで「面白くない」とでも言いたげな、ふてくされた表情をしている。
そして姫路さんは、美しい顔に満足気な微笑みを浮かべて、私に小さく頷いた。

「メガネちゃん。少なくともあなたは、嘘つきじゃあないようね」
「私は・・もし私の目の前に、慰めと励ましを必要としている人がいいたら、何かしたいと思う。もちろん、自分のできる範囲で。私にとってその人が友だちなら、なおさら・・」と言ってる途中で、突然私の目の前にスッと現れた松本さんが、割り込み発言をしてきた。