恋の音はすぐそばに
「…もしかして友達いないとか?」


なんて見当はずれなことを言い出して。


その言葉にはすぐに訂正を入れたけど。


「い、います!…あそこは静かで過ごしやすいんです」


友達はいる。


だけど、友達とは休み時間や授業などで一緒にいられるから。


だから昼休みだけは菜緒先輩を見ていたいんだ。


友達である幼なじみの未陽-ミハル-は何でかわからないけど、理由を察してくれたようで、昼休みになるたびに笑顔で見送ってくれる。


…その上、いつか紹介してとも言ってたな〜。


「ふはっ」


ま、また笑われたっ?!


効果音を付けるなら、ガーンというのがぴったりだろうな。


「冗談だよっ。そんなに本気にしなくてもっ。ふふっ」


「…先輩、笑いすぎです」


うぅ…まだ笑ってるよっ。


そんな爆笑するほど面白いところあった?


私は本当のこと言っただけなのに…。



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