恋の音はすぐそばに
「…あー、ごめん。傷つけたいわけじゃなかったんだ」


「え?」


「必死になるから、可愛いな〜って思っ…」


可愛い?!


さっきよりももっと顔が真っ赤になる。


それは菜緒先輩も一緒で。


それを隠したいのか、菜緒先輩は俯いてしまった。


だけど真っ赤な耳は髪の間から見えて、それがすごく可愛くて、嬉しくて。


「ふふっ」
「ふっ」


「あははは」


2人揃って大きな声で笑う。


まさか菜緒先輩とこんな風に笑える日がくるなんて。


恋占い様々だ。


「僕は巽 菜緒-タツミ ナオ-。特進の2年」


「私は瀬戸口 天音-セトグチ アマネ-です。普通科の1年です」


「天音ちゃんって呼んでもいいかな?」


「はい!」


天音ちゃんだって!!


もう心臓バクバク言ってて、今にでも爆発しそうっ。


それくらい嬉しいのだ。


< 11 / 51 >

この作品をシェア

pagetop