恋の音はすぐそばに
そして。


「「やったー!!」」


菜緒先輩はそのパスをゴールへと蹴り入れた。


…っと、嬉しくてつい叫んでしまった。


誰にも聞かれてないよね?


あ…菜緒先輩と目が合った。


菜緒先輩はニコリと笑うと、手を振ってくれた。


それが嬉しくて、口元が緩む。


手を振り返すと菜緒先輩はまた笑って、紫緒先輩のところへと走って行ってしまった。


「うぅ〜っ」


ズルズルと壁に寄りかかり、ペタンと床に座り込む。


あれは反則だよっ。


変わったことの2つ目が今の〝笑顔で手を振ってくれる〟


最初手を振ってくれた時は一体誰に振っているのかわからなくて、キョロキョロと周りを見渡して。


自分ってわかった時は驚いてイスから落ちたんだよね。


それを見て菜緒先輩は爆笑してたけどさ。


先輩の爆笑してるの見れたからいいけどね!






私はこんな状態の中、菜緒先輩はというと。



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