恋の音はすぐそばに
1つ上の菜緒先輩に恋をしたのは、私が入学式を終えた後のこと。
友達を探して動き回っていた私は、厳つい顔をした先輩に絡まれてしまった。
それはもう厳つい先輩でした。
その上すごくしつこくて。
何を言ってもダメで、どんどん近づいてくるし。
押し返しても女の力ではなかなか適わない。
気づけばキスが出来るくらいの距離にいて。
距離を縮めてくることをやめない先輩に、私は覚悟を決めた時だった。
『ねぇ、そこで何してるの?』
恐る恐る目を開けると、そこには菜緒先輩がいた。
だけどその顔はいつもの笑顔やふんわりさからはかけ離れていて。
鬼でも取り憑いてるんじゃないかって思うほどの顔で。
絡んできた先輩は青ざめた顔で逃げて行ったのを私はまだ覚えてる。
その怖い顔をばっちり見てしまった私だけど、助けてもらってお礼を言わないのは失礼だから、小さな声だったけどお礼を言った。
そうしたら、さっきまでの顔つきが嘘のように優しい顔になって。
『無事でよかった。今度は気をつけてね?』
その言葉と優しい笑顔に、私は恋をしたんだ。
友達を探して動き回っていた私は、厳つい顔をした先輩に絡まれてしまった。
それはもう厳つい先輩でした。
その上すごくしつこくて。
何を言ってもダメで、どんどん近づいてくるし。
押し返しても女の力ではなかなか適わない。
気づけばキスが出来るくらいの距離にいて。
距離を縮めてくることをやめない先輩に、私は覚悟を決めた時だった。
『ねぇ、そこで何してるの?』
恐る恐る目を開けると、そこには菜緒先輩がいた。
だけどその顔はいつもの笑顔やふんわりさからはかけ離れていて。
鬼でも取り憑いてるんじゃないかって思うほどの顔で。
絡んできた先輩は青ざめた顔で逃げて行ったのを私はまだ覚えてる。
その怖い顔をばっちり見てしまった私だけど、助けてもらってお礼を言わないのは失礼だから、小さな声だったけどお礼を言った。
そうしたら、さっきまでの顔つきが嘘のように優しい顔になって。
『無事でよかった。今度は気をつけてね?』
その言葉と優しい笑顔に、私は恋をしたんだ。