恋の音はすぐそばに
「菜緒先輩、今日はどうしたんですか?昼休みにくるなんて珍しいですね」


雨が降ってるときは、紫緒先輩たちと体育館でバスケのはず。


それは紫緒先輩の後輩のクラスメイトに聞いたから間違いはない。


それなのに、菜緒先輩はニコニコ顔でお弁当を持って、私を見ている。


…ん?お弁当?


「うん、実はね、天音ちゃんをお昼に誘いにきたんだ」


……え?


先輩は今…〝お昼に誘いにきた〟って言った?!


聞き間違いじゃないよね?!


まさか先輩から誘われるなんて…。


嬉しすぎて涙が出そうっ。


「えーっと」


「あ、天音の幼なじみの上條 未陽って言います。巽先輩ですよね?よく天音からお話は聞いています」


「巽 菜緒です。ごめんだけど、天音ちゃん借りてもいいかな?」


「ええ、いいですよ。毎日でもお貸しいたします」


なんで2人が話してるんだろうか。


というか、先輩?!


未陽に何を言ってるの?!


しかも2人揃ってニコニコ笑ってるし…。


ちょっと不気味って思ってしまったのは私だけの秘密にしとこう。



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