恋の音はすぐそばに
「ありがとう。天音ちゃん、今日はお弁当?」


「は、はい!お弁当です!」


ぼーっとしてたからワンテンポ遅れちゃった。


ちゃんとしないと!


「ほら、お弁当」


「未陽?」


「早くしないと時間なくなるわよ」


「うん!ありがとう!」


何も言ってなくてごめん。


それなのに、この人が私の大切な人って察してくれてありがとう。


「先輩、お待たせしました!」


「大丈夫だよ〜」


「どこで食べますか?」


「やっぱりあそこでしょ!」


あそこ?





そして着いた場所はというと。


「こ、ここって…っ!」


「うん、いつも天音ちゃんがいる空き教室♪1回ここで食べてみたかったんだ〜」


「そ、そうなんですか…」


そう言う菜緒先輩に苦笑いをし、いつもの席に座る。


菜緒先輩は近くの椅子を持ってきて、私の真正面へと座った。



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