恋の音はすぐそばに
「今日は機嫌いいね。何かいいことでもあった?」


「ふふっ、ちょっとね♪」


そう答えると、心羽は驚いた顔をした。


あ…そういえば、心羽に秘密を作るのは初めてだ…。


いつもは何でも話してたし。


話したくないわけじゃない。


いっぱい話聞いてほしいし、相談にものってほしい。


だけど…もし心羽と菜緒先輩が会ってしまったら?


菜緒先輩は心羽を好きにならないだろうか?


そんな考えが浮かんでは消えていく。


菜緒先輩はそんな人じゃないってわかってるけど…。


だけど不安になる。


心羽は私とは違って美人だし性格もいいから。


だから…今は言えない。


「ごめん、今日は疲れたからもう寝るね」


「え?…うん、お母さんには私が言っとくね」


「ありがとう」


部屋に入り、ベッドにダイブする。


心羽に隠し事をしたという罪悪感が私をモヤモヤとさせる。


ごめんね、心羽…。



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