恋の音はすぐそばに
──コンコン。


「んぅ…?」


ノック…?


今何時…って6時?!


いつもならまだ寝ている時間なのに…一体誰?


「…心羽?」


「おはよう♪」


眠たい目を擦りながらドアを開けると、そこには笑顔の心羽が立っていた。


「どうしたの?いつもならこの時間はご飯食べてるよね?」


私は家から歩いていける距離にある学校だけど、心羽は電車で3駅のところにある学校。


そのため、私より早くに家を出るのだ。


「今日は早く起きてもうご飯食べたよ」


「え?今日何かあるの?」


体育祭とか?


いや、それはこの間終わったって言ってた。


じゃあ、文化祭?


それも違う。


心羽の学校の文化祭は11月にあるもん。


まだ1ヶ月以上も先だ。


「それより天音、あそこのイスに座って?」


あそこ?


心羽が指差すところにあるのは、昔心羽が誕生日プレゼントにくれたハート型のイス。


あれに座るの?


不思議に思いながらも、イスに座る。




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