恋の音はすぐそばに
「まさかあそこで主人公がくるなんてね!」


「ですよね!あれは予想外でした!!」


映画を観た後の帰り道。


私と菜緒先輩は映画の感想で大盛り上がり。


「だよね!かっけぇ!って叫びそうになったよ〜!」


〝かっけぇ!〟…か。


いつもほわわんとしたしゃべり方の菜緒先輩が珍しい。


実はこっちが素なのかな?


「あ、次はどっち?」


「右に曲がってすぐの赤い屋根の家です」


いつも見てる景色が、好きな人と…先輩といるだけでこんなにもキラキラするんだね。


周りが輝いて見える。


あーあ、着いてほしくない。


そんなこと考え出てるうちに家の前まで着いてしまった。


「先輩、今日はありがとうございました!とっても楽しかったです!」


「こちらこそ、ありがとう!意見もピッタリだし、こんなに盛り上がったのは久しぶりだったよ〜」


「私もです!…友達はいるんですが、趣味が違うので…」


私は恋愛ものが、未陽は推理ものが好き。


合わないことはないんだけど、やっぱり意見が食い違ってしまう。


だから菜緒先輩と意見が合った時は本当に嬉しかったんだ。



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