恋の音はすぐそばに
「僕もそうなんだよね〜。…また一緒に出かけようね?」


〝また一緒に出かけよう〟


菜緒先輩との次の約束。


それはとても嬉しいことで。


好きな人とのお出かけの約束がこんなに嬉しいものなんて。


私は初めて知ることばかり。


いろんなことを知れて、私はすごく幸せだったんだ。


だから…。


「はい!」


私はこの時、笑顔で終われると思っていたんだ。


先輩と次の約束して、笑顔で手を振ってまた明日って言って終わるって。


だけど次の瞬間、それは間違いだって気づくんだ。


「天音、帰った……菜緒くん…?」


この時までは、私はそう信じてたんだ。





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