恋の音はすぐそばに
「妹…っ?あ、だから髪ゴム…」


髪ゴム?


あ!放課後に会ったときに言ってた…?


もしかしてこの髪ゴムって菜緒先輩が心羽にあげた…?


考えれば考えるほどいっぱい出てくるのに、それが真実なのか確認するのが怖いっ。


「…天音が出かけるって言うから貸したの。まさかその相手が菜緒くんだったとはね」


「僕もびっくりだよ。天音ちゃんが心羽ちゃんの妹なんて…」


なに?なんなの?


なんで心羽は菜緒先輩を睨んでるの?


いつも笑ってる心羽のそんな顔…私は見たことないっ。


「とりあえず僕は帰るよ」


「え?」


帰っちゃうの?


心羽とのこと…まだ解決してないのに?


心羽は何かを考えてるみたいだし…。


「ごめんね、本当はもっと話したいんだけど、明日も学校があるから」


わかってる。


私のわがままだってことぐらい。


だけど楽しかった分寂しいんだ。



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