恋の音はすぐそばに
先輩が見えなくなり、私と心羽は一言もしゃべらず、家の中に入る。


こんなに無言になったのは初めてで、どうしたらいいのかわからない。


菜緒先輩との関係を聞く?


…いや、この状況で聞くのはさすがにダメでしょ。


それに…私の心の準備もできてない。


あー!どうしたらいいのっ?


そんな中、先に口を開いたのは心羽だった。


「…天音は菜緒くんが好き?」


心羽?


さっきもおかしかったけど、さっき以上に様子がおかしい?


そんな心羽に本当のことを言ってもいいのかな?


…本当のことを言おう。


嘘ついて変な勘違いされてもいやだし。


心羽には知っててほしい。


「…うん、好き」


「そっか…」


ねぇ、心羽?


何が心羽にそんな顔をさせているの?


私には言えないこと?


私は…心羽の役には立てない…?



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