恋の音はすぐそばに
「大丈夫だよ。菜緒くんには友達以上の思いはないし、それは菜緒くんも一緒だから」


「なんでわかるの?」


「いろいろとあったからね」


そう言う心羽は悲しそうな顔で笑っていて。


いつもの私なら笑えてないよって突っ込むんだけど、その顔を今見てしまうと何も言えない。


これ以上は聞いてはいけない。


そう思うんだけど…。


「最後に一つ聞いていい?」


「いいよ、何でも聞いて」


その言葉には苦笑いだよ。


何でもはさすがに聞けません。


「心羽と菜緒先輩は知り合いなのに、どうして私は今まで会ったことなかったの?」


菜緒先輩と出かけたあの日からの疑問。


高校が違う2人が知り合いってことは、2人が友達になったのは中学生の時ってこと。


菜緒先輩は自分の家も同じ方面と言ってた。


ってことは、中学が一緒で家も近所なんだよね?


だけど私が菜緒先輩のことを知ったのは高校の入学式で。


それはどうして?



< 41 / 51 >

この作品をシェア

pagetop