エンゲキカレシ
第1章 出会い

王子様との出会い

「どうして起こしてくれなかったの!?」

あたしは叫びながら階段を駆け下りると、一目散に玄関を飛び出した。

中途半端に結ばれたスカーフ、丈が長いままのスカート。

入学式なのに、最悪だ。

歩いて15分ほどの道のりを、お世辞にも速いとは言えない脚で駆け抜ける。

入学式が始まるまではあと5分。

登校時刻は30分以上も前だった。

大遅刻だ。

学校までの道のりは何となく知っている。

私は特に迷うこともなく正門に辿り着くと、見事学校の敷地内に入ることに成功した。
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