失恋相手が恋人です
「伊川さん?
桧山です。
沙穂ときちんと話したよ。
あぁ、うん。
沙穂のこと、ありがとう。
沙穂を大事にする、沙穂とこれからはずっと一緒にいるから。
ありがとう、吏人にも後で改めて連絡するけど……ありがとうって伝えてくれるかな?」
葵くんが。
私とのことを萌恵に話してくれたこと……ずっと一緒にいるって言ってくれたことに、私の嬉し涙は止めどなく溢れる。
「……あー。
それは、そうなんだけど……いや、あの頼んだのは俺だから、吏人は悪くなくて……ごめん……。
吏人を怒らないでくれたら……」
あれ?
……何か葵くん、怒られてる?
さっきまでの甘い雰囲気はどこへやら、葵くんは困った表情で私にスマホを返してきた。
「萌恵?
何?
どうかした?」
「……沙穂。
詳しくは直接彼氏に聞きなさい。
もうっ、本っ当にっ吏人ったら!
私にまで黙ってるなんてっ」
何故かとても不機嫌な萌恵。
「え?
どういうこと?
何で吏人くん?」
訳がわからない私。
「それも彼氏に聞いて。
っていうか、スッゴいわね~沙穂、もう逃げられないね。
まぁ、それだけ愛されてるわけだし、よかったね。
じゃ、私、今から吏人に説教しなきゃいけないから切るねっ。
あっ、落ち着いたらまた連絡してねっ」
一方的にまくし立てて萌恵が電話を切った。
葵くんの方を反射的に見るとバツが悪そうな顔をして私から目を逸らす。
「……葵くん?」
私が目を細めて葵くんの名前を呼ぶと、葵くんは慌てたような表情を浮かべる。
桧山です。
沙穂ときちんと話したよ。
あぁ、うん。
沙穂のこと、ありがとう。
沙穂を大事にする、沙穂とこれからはずっと一緒にいるから。
ありがとう、吏人にも後で改めて連絡するけど……ありがとうって伝えてくれるかな?」
葵くんが。
私とのことを萌恵に話してくれたこと……ずっと一緒にいるって言ってくれたことに、私の嬉し涙は止めどなく溢れる。
「……あー。
それは、そうなんだけど……いや、あの頼んだのは俺だから、吏人は悪くなくて……ごめん……。
吏人を怒らないでくれたら……」
あれ?
……何か葵くん、怒られてる?
さっきまでの甘い雰囲気はどこへやら、葵くんは困った表情で私にスマホを返してきた。
「萌恵?
何?
どうかした?」
「……沙穂。
詳しくは直接彼氏に聞きなさい。
もうっ、本っ当にっ吏人ったら!
私にまで黙ってるなんてっ」
何故かとても不機嫌な萌恵。
「え?
どういうこと?
何で吏人くん?」
訳がわからない私。
「それも彼氏に聞いて。
っていうか、スッゴいわね~沙穂、もう逃げられないね。
まぁ、それだけ愛されてるわけだし、よかったね。
じゃ、私、今から吏人に説教しなきゃいけないから切るねっ。
あっ、落ち着いたらまた連絡してねっ」
一方的にまくし立てて萌恵が電話を切った。
葵くんの方を反射的に見るとバツが悪そうな顔をして私から目を逸らす。
「……葵くん?」
私が目を細めて葵くんの名前を呼ぶと、葵くんは慌てたような表情を浮かべる。