失恋相手が恋人です
桧山くんと歩美先輩は以前からの知り合いで。
桧山くんは講義がなくても、大体いつも本館に通っていて。
歩美先輩の教室があるのも本館。
勿論、歩美先輩もしょっちゅう、本館に通っている。
しかも。
階段教室の真下にあたるベンチがある場所によくいるって……。
簡単な方程式。
いつも桧山くんが決まった場所から見ている風景。
ただ、窓の外を見ていたわけではなくて。
……歩美先輩?
歩美先輩を見ていた……?
だとしたら。
桧山くんは。
あんなにもてるのに浮いた噂ひとつ、ずっとないのは。
告白してくる女子学生達を皆、断っているのは。
歩美先輩が好きだから……?
だから。
いつもあの場所から見てるの……?
答えは本人には聞けない。
私は彼の知り合いですらない。
だけど。
どうしてこんなに気になるの?
……どうしてこんなにショックなの?
名前ひとつ聞くだけで。
彼に関する噂、全てに耳をそばだててしまうことも。
姿を見るだけで。
思わず後を追ってしまうのも。
どうして?
……そう。
きっと、そう。
私。
あんなに否定していたのに。
彼のこと、何にも知らないけれど。
私は……桧山くんが好きなんだ……。
桧山くんは講義がなくても、大体いつも本館に通っていて。
歩美先輩の教室があるのも本館。
勿論、歩美先輩もしょっちゅう、本館に通っている。
しかも。
階段教室の真下にあたるベンチがある場所によくいるって……。
簡単な方程式。
いつも桧山くんが決まった場所から見ている風景。
ただ、窓の外を見ていたわけではなくて。
……歩美先輩?
歩美先輩を見ていた……?
だとしたら。
桧山くんは。
あんなにもてるのに浮いた噂ひとつ、ずっとないのは。
告白してくる女子学生達を皆、断っているのは。
歩美先輩が好きだから……?
だから。
いつもあの場所から見てるの……?
答えは本人には聞けない。
私は彼の知り合いですらない。
だけど。
どうしてこんなに気になるの?
……どうしてこんなにショックなの?
名前ひとつ聞くだけで。
彼に関する噂、全てに耳をそばだててしまうことも。
姿を見るだけで。
思わず後を追ってしまうのも。
どうして?
……そう。
きっと、そう。
私。
あんなに否定していたのに。
彼のこと、何にも知らないけれど。
私は……桧山くんが好きなんだ……。