失恋相手が恋人です
私が葵くんの「彼女」であるという噂は瞬く間に広がり。
今まで何の注目も浴びてこなかった私の生活は一変した。
大学内の何処にいても「あの子……桧山くんの」と言った刺々しい声、興味津々の視線が向けられて。
そんなにアッサリ受け入れられる筈はなく、嫌がらせされるんじゃないかなって内心ビクビクしていたのだけれど。
拍子抜けするくらいにそんなことはなかった。
ただ、面と向かって「本当に付き合ってるの?」と、知らない女子学生に威圧感丸出しで下から上までジロジロ見られた上で問い詰められることはあったけれど。
他にも好奇心丸出しで付き合った経緯を聞かれたり。
でも。
そんな状態を私以上に危惧していたのは萌恵や吏人くん、そして他ならぬ葵くんだったみたいで。
常に萌恵は私と行動を共にするようにしてくれていて。
吏人くんも私が悪女のように言われている噂を男子学生たちから聞くと否定してくれたり。
何より。
葵くんが一番気にしてくれていた。
きっと今までも、彼の本当に大事な人にそんな経験があったのだろうと思うくらいに。
的確に。
私がされたこと、言われたことを見てきたかのように言い当てた。
そして。
私はハッキリとは知らなかったけれど、葵くんは何かしら対策?を取ってくれたらしく。
「……意外だった」
と、ポツリと吏人くんがこぼしているのを聞いた。
今まで何の注目も浴びてこなかった私の生活は一変した。
大学内の何処にいても「あの子……桧山くんの」と言った刺々しい声、興味津々の視線が向けられて。
そんなにアッサリ受け入れられる筈はなく、嫌がらせされるんじゃないかなって内心ビクビクしていたのだけれど。
拍子抜けするくらいにそんなことはなかった。
ただ、面と向かって「本当に付き合ってるの?」と、知らない女子学生に威圧感丸出しで下から上までジロジロ見られた上で問い詰められることはあったけれど。
他にも好奇心丸出しで付き合った経緯を聞かれたり。
でも。
そんな状態を私以上に危惧していたのは萌恵や吏人くん、そして他ならぬ葵くんだったみたいで。
常に萌恵は私と行動を共にするようにしてくれていて。
吏人くんも私が悪女のように言われている噂を男子学生たちから聞くと否定してくれたり。
何より。
葵くんが一番気にしてくれていた。
きっと今までも、彼の本当に大事な人にそんな経験があったのだろうと思うくらいに。
的確に。
私がされたこと、言われたことを見てきたかのように言い当てた。
そして。
私はハッキリとは知らなかったけれど、葵くんは何かしら対策?を取ってくれたらしく。
「……意外だった」
と、ポツリと吏人くんがこぼしているのを聞いた。