失恋相手が恋人です
その日を境に、葵くんと私は本当の恋人になった。
きちんと付き合おう、と以前に言われた時とは明らかに違っていたのは葵くんの私への態度だった。
勿論私自身もだけれど。
以前にも増して、私と一緒にいる時間を作ろうとしてくれる姿勢と注がれる甘い視線や言葉に萌恵も驚いていた。
萌恵には想いが通じあったその日の夜に電話で報告した。
とても驚いていたけれど、涙声で喜んでくれていた。
もしかして葵くんは泊まっていくのかな、と心臓が口から飛び出しそうなくらいドキドキ緊張していた私だけど、葵くんはそんな私の心を知ってか知らずかカレーライスを食べてアッサリ帰っていった。
帰るまで、ずっと葵くんは何処かしら私に触れて、抱きしめたり、頬や瞼、額に軽いキスを繰り返していたけれど。
葵くんがあんなに甘えてくる、というか私を傍に置きたがるとは思いもしなくて。
嬉しいけれど、恥ずかしさが頂点に達して私は終始赤面してばかりだった。
「ものすごく手をだしたいけれど、今日は我慢して帰るよ」
玄関で見送る私にそんな意味深な言葉と色気タップリの微笑みを残して。
恥ずかしいけれど、何だか離れてしまうことが寂しくて、靴を履く葵くんを見つめていたら。
両手で頬を包まれて長いキスをされた。
唇が離れる瞬間に私の下唇を舌で舐めることも忘れずに。
「……!」
再び上がる心拍数と顔の熱。
「……そんな顔しないで。
我慢できなくなるから」
そう言って私の頬を撫でる葵くんの綺麗な手。
……全部覚えている。
でも思い出す度、恥ずかしくて赤面してしまう。
男性と付き合うことは初めてではないのに、どうしてこんなに恥ずかしくなってしまうのだろう。
きちんと付き合おう、と以前に言われた時とは明らかに違っていたのは葵くんの私への態度だった。
勿論私自身もだけれど。
以前にも増して、私と一緒にいる時間を作ろうとしてくれる姿勢と注がれる甘い視線や言葉に萌恵も驚いていた。
萌恵には想いが通じあったその日の夜に電話で報告した。
とても驚いていたけれど、涙声で喜んでくれていた。
もしかして葵くんは泊まっていくのかな、と心臓が口から飛び出しそうなくらいドキドキ緊張していた私だけど、葵くんはそんな私の心を知ってか知らずかカレーライスを食べてアッサリ帰っていった。
帰るまで、ずっと葵くんは何処かしら私に触れて、抱きしめたり、頬や瞼、額に軽いキスを繰り返していたけれど。
葵くんがあんなに甘えてくる、というか私を傍に置きたがるとは思いもしなくて。
嬉しいけれど、恥ずかしさが頂点に達して私は終始赤面してばかりだった。
「ものすごく手をだしたいけれど、今日は我慢して帰るよ」
玄関で見送る私にそんな意味深な言葉と色気タップリの微笑みを残して。
恥ずかしいけれど、何だか離れてしまうことが寂しくて、靴を履く葵くんを見つめていたら。
両手で頬を包まれて長いキスをされた。
唇が離れる瞬間に私の下唇を舌で舐めることも忘れずに。
「……!」
再び上がる心拍数と顔の熱。
「……そんな顔しないで。
我慢できなくなるから」
そう言って私の頬を撫でる葵くんの綺麗な手。
……全部覚えている。
でも思い出す度、恥ずかしくて赤面してしまう。
男性と付き合うことは初めてではないのに、どうしてこんなに恥ずかしくなってしまうのだろう。