失恋相手が恋人です
「……随分前にも言ったけれど。
俺は沙穂と別れるつもりはないから。
沙穂が大切だから、絶対帰ってくるから」
身体を離して私の頬を両手で挟んでそっと額を合わせる。
近い距離で久々に見る葵くんのとても綺麗な二重の瞳。
そこに私が映る。
「……待ってて。
親父が納得するような成果をあげて、沙穂の元に帰ってくるから」
私の瞳から止めどなく溢れる涙を葵くんは優しい唇で受け止める。
「……うん」
それだけ伝えるのが精一杯。
大好きなこと、大切なこと、離れたくないこと、伝えきれない想いを込めて。
私は何度も頷いた。
私の額、瞼、頬、鼻にキスの雨を優しく降らせる葵くん。
そして最後に私の目を見つめる。
私はゆっくり瞼を閉じる。
そっと触れる柔らかな感触。
葵くんの優しい気持ちが伝わる。
ゆっくり目を開けると、とても近い距離に葵くんの端正な顔。
「……もう一回」
かすれた声で呟く葵くん。
今度はさっきとは比べ物にならないくらいの激しいキス。
力強くてそして私が呑み込まれそうになるくらい。
「……ふっ……ん」
思わず声を漏らした時に開いた唇から入り込んだ葵くんの温かな舌が私の口腔を彷徨う。
激しさに怯えそうになる私の舌を逃がさないように絡めとる葵くん。
私の唇も何もかも葵くんの舌が翻弄していく。
離れたと思ったらまた唇を塞がれて。
唇を甘く噛まれたり舐められたり。
私の頭の中はジンと痺れていた。
最後にまた触れるだけのキスをして。
葵くんの唇が私から離れていった。
私はポスンと葵くんの胸にもたれる。
……葵くんのこと以外何も考えられなかった。
私の髪を優しく撫でるその手を愛しいと思った。
「……ごめん、な」
最後に一言、呟くような声で葵くんは言った。
その謝罪の意味を私は敢えて聞かなかった。
俺は沙穂と別れるつもりはないから。
沙穂が大切だから、絶対帰ってくるから」
身体を離して私の頬を両手で挟んでそっと額を合わせる。
近い距離で久々に見る葵くんのとても綺麗な二重の瞳。
そこに私が映る。
「……待ってて。
親父が納得するような成果をあげて、沙穂の元に帰ってくるから」
私の瞳から止めどなく溢れる涙を葵くんは優しい唇で受け止める。
「……うん」
それだけ伝えるのが精一杯。
大好きなこと、大切なこと、離れたくないこと、伝えきれない想いを込めて。
私は何度も頷いた。
私の額、瞼、頬、鼻にキスの雨を優しく降らせる葵くん。
そして最後に私の目を見つめる。
私はゆっくり瞼を閉じる。
そっと触れる柔らかな感触。
葵くんの優しい気持ちが伝わる。
ゆっくり目を開けると、とても近い距離に葵くんの端正な顔。
「……もう一回」
かすれた声で呟く葵くん。
今度はさっきとは比べ物にならないくらいの激しいキス。
力強くてそして私が呑み込まれそうになるくらい。
「……ふっ……ん」
思わず声を漏らした時に開いた唇から入り込んだ葵くんの温かな舌が私の口腔を彷徨う。
激しさに怯えそうになる私の舌を逃がさないように絡めとる葵くん。
私の唇も何もかも葵くんの舌が翻弄していく。
離れたと思ったらまた唇を塞がれて。
唇を甘く噛まれたり舐められたり。
私の頭の中はジンと痺れていた。
最後にまた触れるだけのキスをして。
葵くんの唇が私から離れていった。
私はポスンと葵くんの胸にもたれる。
……葵くんのこと以外何も考えられなかった。
私の髪を優しく撫でるその手を愛しいと思った。
「……ごめん、な」
最後に一言、呟くような声で葵くんは言った。
その謝罪の意味を私は敢えて聞かなかった。