ここで愛を語ろうじゃないか！

夫婦ってさ…

些細な喧嘩はよくする。

恋して愛して結婚しても、元々は他人同士が暮らすのだから、ズレがあったり、馴れ合いの部分が生じたりする。
妻はこうあるべきという理想もある。

どこまでが許容範囲なのか？
その区切りは人によって違うのであろう…

世の中に完璧な人なんて居ない。
そんなの分かっている。

俺が甘えているだけかもしれない。
そう、特別な君にだけには……


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妻の紫乃（しの）は典型的なマイペース女。
そこが可愛いと思って好きになった。
男はそんな女をリードするもんだと思っていた。

「靖幸（やすゆき）は、完璧を求め過ぎなんだよ！
ならさ、そういう女と結婚したら良かったのに！」

喧嘩のキッカケは、紫乃に任してやりくりしている家計が、今月ほんの少しだけまかないきれずに赤字だった事に始まった…

「給料の中から生活費を賄うのが妻の役割なんじゃないの？
財布の紐が緩いからそうなるんじゃない？
何でも欲しい物ホイホイ買っていたら、赤字になるに決まってんだろ！」

「靖幸は、世の中の物価ってもんを知らないから簡単に言うんだよ！
ならさ、晩酌控えてよ！
一緒にスーパーに行っても、食べたい物を値段も見ないでカゴに入れるのは靖幸でしょ！
何も分かってないのは、靖幸の方だよ！
我慢も出来てない人に言われたくないわ！」


そう……
紫乃は、普段はおっとりしているのに、怒るとめちゃくちゃキツイ女になる。
絶対に自分の意見は曲げないから喧嘩になる。