桜龍
もちろん、あきちゃんがあたしの家の事情を全て知っていなくてもそれを詮索してこないし聞いてもこない…

きっと、あきちゃんもあたしを家族みたいなものだから聞いて来ないんだと思うし、たっくんに関しても全ては知らないと思う

あたしの家に関わりがあっても、あきちゃんよりはあたしの家の事情のことは知ってるだろうし今回の事も軽くしか聞いてないみたいだし…

『ありがと、その時は頼るね!』

2人が居てくれてよかったって今、心から思った

2人に頭を撫でてくれて

「おう!いつでも、頼ってこい!」

「ういっス!」

よし!じゃあ、ここでの高校生活を始めよう!

「後、紘のクラスはあきが担当のAクラスだ!この学校は入試テストで1年間のクラスが決まり、2年からは学年末でクラスが決まる、クラスはA~Eまである。振り分けは成績順だ。」

ふーん、たっくんも成績とか気にするんだ

「一応、紘にも編入テストを受けてもらったしクラスはAで問題ない!」

そーいや、なんか受けたな…

「てか、全問正解だったしな!」

ケラケラ笑ってるたっくんを見て

「えっ!紘さん、頭いいんスね!あっ!そういえば、さっきたくさんに勉強教えてたってこと言ってましたね!俺も問題見たことありますけど半分もわかんなかったスよ!」

あきちゃん、大丈夫なの?

あたし、不安になってきちゃったよ…

「あきは、国語しか分かんなかっただろ!勉強教えてやった時に全般的にしっかりやらなかったからそうなるんだろ!」

たっくん…

笑ってるけど、それでいいの?

「いやー、そうかもですけど俺、国語以外理解出来なかったんスよ!」

笑ってるあきちゃんもあきちゃんだ…

あの頃から全然変わってないな…この2人は…

見た目が変わっても中身は変わらない・・・

いいな、こーゆー関係…ちょっと羨ましいと思ってしまう

「さて、紘さん!行きましょうか!」

よし!頑張ろう!

「行ってこい、紘!」

たっくんに見送られ理事長室を後にした

「紘さん」

前を歩いているあきちゃんに声をかけられた

こっちは振り返ってくれないけど何か言いたいんだろうな

『ん?何?』

少し間があった後、立ち止まり振り返って

「俺は紘さんの事情を全て知りませんし、紘さんが話してくださらないなら別に強引に知ろうとは思いません。けど、絶対に無理だけはしないで下さいね!俺との約束ですよ!」

あきちゃんが小指を出してきた

そーいえば、昔無理な事ばかりやっててたっくんやあきちゃんに心配ばっかかけてたな・・・

『わかった、約束する!けど、無理はしないけど無茶はするからね!』

いたずらっ子のように笑い、あきちゃんの小指にあたしの小指を絡める

「紘さんに無茶するななんて絶対無理ですもんね!」

よく分かってらっしゃる!さすがだわ!

『だね!』

ため息を1つついて

「絶対に無理だけはしないで下さい。辛くなったり、苦しくなったら必ず俺らに言ってくださいね!」

『うん!わかった!』

昔みたいに心配ばっかかけたくないしね!

満足した顔に戻ったあきちゃんと小指を離し、

「ここが、俺のクラスです!合図したら入ってきて下さいね!」

いつの間にかクラスについてたのか…

『了解』

あたしの返事をしっかり聞いて教室の扉を開けた

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