桜龍
座敷へ行けば

「あー、飲みすぎたー!」

みなくんがダルそうに上半身を起こしていた

『おはよう、飲み過ぎのみなくん』

あたしがにっこり笑ってあげれば

へらーと笑って

「おはよ、帰んなかったのか?」

『うん、ゆうくんと居たかったし、さすがにこの人数が酔い潰れちゃったら帰るにも帰れないでしょう』

そりゃ、1人とか2人までなら何とかなるだろうと思って帰るよ

だけどさ!

涼以外の白龍幹部にみなくん、けいちゃん、まなねぇまでもが潰れちゃえぱ帰れないでしょう

『もういいや。はい、これ』

とりあえず、起きているみなくんに作ったそうめんを渡した

「おっ、サンキュー!今回はトマトか」

この前のも覚えてたのか…

『うん、冷蔵庫にたくさんの種類のトマトがあったからね、また、勝手に使っちゃったけどよかった?』

一応この前いいとは、言われたけど

「あぁ、使うのに一々許可なんていらねぇよー!紘なら好きに使え!」

さすがだわ、みなくん

『ついでに、住居スペースも勝手にお借りしたから』

掛け布団とあたし達の仮眠に使わせてもらったことも一応伝えとよう

「あぁ、構わねぇよ!」

みなくんは、寛大だ

まぁ、元々そうゆう人だという事は小さい頃から知ってるけどね

『とりあえず、みんなを起こそうか…』

みんなまだ寝てる

「そうだねー、起こそうか」

涼も笑ってるけど呆れてるようにも見える

これなら

『ゆうくん、お兄ちゃん達の上に乗って起こしていこうねー!』

ゆうくんはあたしでも抱っこ出来るくらいの重さだから対して重くはないだろうけど無防備な奴らには効果はあるだろう

「乗っていいのー?」

ゆうくんはキラキラした瞳で聞いてきたのであたしは、いたずらっ子のように

『いいよ!寝てるお兄ちゃん達が悪い!』

「わかったー!」

まず、ゆうくんは魁斗の上に乗った

「うっ…」

魁斗がうめき声をあげた

「おにいちゃん、おきろー!」

ゆうくんが魁斗の上に乗り起こした

「はよ、ゆう…」

ダルそうに上半身を起き上がりゆうくんの頭を撫でた

「おはよう!これ、どーぞ!」

作ったそうめんを手渡した

「サンキュ…」

ゆうくんは、嬉しそうに笑い次々と起こしていった

これなら、ゆうくんに任せておけば大丈夫かな

『おはよ、魁斗。さすがに二日酔いだね』

クスクス笑ってやれば

「うっせ…」

そっぽを、向いてそうめんを食べ始めた

「ママー!お兄ちゃん達起きたー!」

もう起こせたのか!早いな!

一仕事終えたような満足そうな笑顔で駆け寄ってきた

座っていたあたしの膝の上に乗せ

『えらいねー!ゆうくん!』

頭を優しく撫でてやれば

「えへへー!」

嬉しそうに喜んでくれた

「さて、とりあえずみんな倉庫へ行こうか、車呼んだから」

涼が発言したことによりみんなそうめんを食べ立ち上がった

『ごめん、片付けだけお願いね!』

本当は片付けまでやりたかったけど、みんな倉庫へ行く雰囲気だし

「あぁ、構わねぇよ。これくらいの量、どうせ、また昨日の調理器具やらを洗ってくれたんだろ?これくらいなら、何ともねぇよ!」

洗った事は分かってるんだ…

『お願いね!』

「あぁ、ほら、ゆう。ママにバイバイは?」

あたしの膝の上に座っていたゆうくんに手を伸ばし抱っこしながら立ち上がり

「お見送りするー!」

玄関まで見送ってくれたゆうくん

『またね、ゆうくん!』

ゆうくんの目線に合わせ抱き寄せてあげ

「バイバイ」

ギュッとしたゆうくんと体を離し

「それじゃあ、お邪魔しました。また来ます!」

そう言って車の扉を開けてくれてた涼の気遣いに感謝して車に乗り込んだ

「おう!また来いよー!」

手を振って見送ってくれた、みなくんとゆうくん



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