桜龍
そこには、眠そうな魁斗がいた

『おはよう、重役出勤ですか?』

軽くからかいスマホをしまった

「…うっせ」

そう言って、フェンスに沿って座った

あたしも、座った

『授業は?』

この時間なら普通なら授業時間だろう

「今日は出ねぇよ…」

気分で出席決めんの?

「お前は?」

えっ!あたし

『…学園祭の話をしてたんだけど、あたし無関係な人間だからもういいかな?って思ってね…』

裏方決定ならもういいよね?

「ふーん、もうそんな時期か…」

そういえば

『魁斗のとこのクラスの出し物は決まった?』

うちのクラスが話し合ってるんだから当然他のクラスも話し合っているだろう

「…ホストクラブって、言ってた」

ホストクラブかぁ…

『じゃあ、あたし魁斗のクラスに遊びに行こうかな?』

裏方は暇って言ってたから

「絶手ぇに出ねぇよ」

えー

『なーんだ、つまんないのー!』

魁斗が人をもてなせるのか見たかったのになー!

「なら、一緒に学園祭回るか?」

えっ?

『出し物に出ないのに学園祭に回れるの?』

それは、ズルくない?

「どうせ、俺らには何も言ってこねぇよ」

あー、怖いってことか

『じゃあ、みんなで回ろうよ!涼達も誘って!』

みんなで回れそうだといいなー!

――ガチャ

ん?扉の方を見たら

「あれ?紘ちゃん、授業は?」

あっ!やっぱりそこの心配する?

『学園祭の話だからサボりました。』

「そうなんだね!」

笑顔で返答してくれた

『涼のクラスは何やるの?』

涼に聞いたら楽しそうに

「お化け屋敷だよー!クラス全員、力入れて頑張ってるよ!売上番付1位は、3年生が取るぞ!って言ってね!」

お化け屋敷かぁ…

『楽しそうだね!』

「ふふふ、けっこうリアルに作り上げるつもりだから!絶対に来てね!」

あっ!そうだ!

『ねぇ、今みんなで学園祭回ろうよ!って話してたんだけど、どう?』

魁斗は、出ないって言ってるけど涼はどうなんだろう?

「いいね!俺はクラスの大道具係だから当日は道具が壊れない限り暇なんだよ!」

じゃあ、回れるね!

< 139 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop