桜龍
はぁ…

当日は地獄だな…なんで、こんなことに…

「そういえば、紘は着てみたいコスプレ服とかないの?あれば、用意出来そうなら用意するよー!」

特にないなぁ…

巫女服は、ミニスカだし…

『あっ!着物とかは、ダメ?』

着物なら持ってるし自分で着れるから楽!

「着物なー!確か着物みたいな衣装あったよなー?」

えっ!

「あったよー!持ってくるー!」

えっ!ちょっと待って!

『着物なら自分で持ってるから!』

しまった…

「はい!」

ナオから渡された

まさかの浴衣ドレス…

『当日着物持ってくるからそれじゃあダメなの?』

二人で顔を見合わせて

「それでもいいけどー、なんでそんなにイヤなの?」

それを言われると答えられない…

「似合うと思うぜ!」

似合う似合わないの問題じゃない

「制服だって、短めのスカートなんだし変わんねぇくらいの丈だろ?」

いや、まぁそうなんだけど…

仕方ない…

『別にミニスカがイヤとかじゃないの…』

そう、別にスカートがイヤとかではない…

まぁ、普段制服以外では着ないけど…

「じゃあ、何?」

『…小さい頃事故にあって肩に傷が残っちゃったの…だから、肩が出るような服は着れないし、足も今はそこまで目立たないけど傷があるから…それだけの理由…』

足の傷は本当…

喧嘩した時に深めに切り付けられ跡が残ってしまった…

足首の当たりだからソックスを履けば見えない…

肩の傷は、嘘…

傷ではあるが、傷じゃない…

あたしがあの場所にいた証なのだ…

「そっかー、じゃあ、巫女服は、肩出ないし、下はタイツ履きなよー!これで、足の傷も肩の傷も見えない?」

あたしが肩を掴んでいるとナオが助け舟を出してくれた

「なら、当日着物も持って来れそうなら持って来いよ!巫女服と両方着ればいいよ!」

しゅうも助けてくれた

やった…

『わかった!持ってくるね!他の人も着る?何着かあるよー!』

助けてくれたから、他の人が着るなら持ってきてあげてもいいと思う

「あー、袴着る奴いるんだけど着付け出来なくて困ってんだよ…着付け出来るか?」

着付けね…

『うん、出来るよ』

着付けは家の奴らの為にと思って母さんに教えてもらった

「後、何人かは着物着せたいから持ってこれるか?無理ならいいけど…」

持ってくることは全然いいんだけど…

『女物の着物だよ?いいの?』

みんな彼女が欲しいからコスプレ喫茶にしたんじゃないの?

「あー、コスプレ衣装が足りなくて困ってんだよ…買うのもアリだけどせっかくなら女装でもいいかと思って…」

あっ!女装させるのね…

『なるほどね…なら、小物とかメイクとかも持って来ようか?』

やるなら、徹底的にやってあげたい

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