桜龍
――1年A組 教室のドア前

「きゃー!白龍よー!」

「幹部全員おそろいだわー!」

あぁ、来ちゃったのか…

『お姉様方、他の人に任せてもいいですか?』

首を傾げてお願いする

「うん!いいよー!」

何故かこうするとお願いを聞き入れてくれるのだ…

あたしみたいなやつがやってそんなに面白いのかな?

白龍幹部に近付く

『あぁ、来ないでって言ったのに…』

恨めしそうに睨んでやった

「な、なんでそんな格好してんだよ!」

動揺した玲音

『なんでって、そりゃコスプレ喫茶だもん!』

しれっと言い放つ

「な、な、なんでお前が動き回ってんだよ!」

なんでって…

「紘ー!かわいいー!」

花音の突進を食らった

「きゃー!」

「花音くんが百合たんに抱きついたー!」

「あー、でも百合たんなら許せるー!」

あぁ…なんで、突進するかな…

『なんで…なんでなんでしょうね?気付いたらあたしだけが忙しく動き回ってた…』

知らず知らずのうちに注文する客が何故かあたし1人を集中的に呼ぶのだ

運ぶのは他の奴らに任せてあたしは、注文を聞くだけに徹底した

「巫女服かー!似合ってるよ!」

涼が上から下まで見て言ってくれた

『お世辞をありがとう』

似合ってないのにお世辞を言ってくれる涼はやっぱり紳士だ

「ホントに似合ってるのにー!嘘言ってないよー!」

「似合ってる…」

ボソっと言った魁人

このやろ、からかって面白いのか!

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