桜龍
そう言えば、否定せずに目線を逸らした

肯定も否定もしないか…

『まぁ、別にあなた達がここのトップを目指すんなら話は別だったけど…』

目線を逸らしたからあたしの事を見てないので見えるように移動した

ストンと目の前に屈み

『刹鬼に協力してその下に付くのって悔しくない?』

首を傾げて聞けば

「俺らはトップになれる程強くねぇってこと知ってんだよ…だから…」

なるほどね…

『強さって力だけじゃないと思うよ』

そう言えばあたしの事をしっかり見た

『今のあなたが強くなりたいと思うなら強くなれる方法教えてあげようか?』

悪魔の囁きにでも聞こえたのだろう

「強くなれる方法なんて、あるのか?」

あたしは、軽く笑い

『あるよ、知りたい?』

「教えてくれ!」

即答か…

『守りたいものを守れるやつになりなよ!』

男は頭を傾げた

『何でもいいんだよ、人でも物でもプライドでも何でもいいんだよ!それをボロボロになってでも守ろうとする奴は』

頭を撫で

『強くなれるんだよ、分かるでしょ?』

男は顔を伏せ

「守りたいもの…お前はあるのか?」

愚問だね…

あたしは、立ち上がり

『ある!』

即答した

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