桜龍
周りに居た立っている男たちを見て

『ねぇ』

声を掛けたら怖がられた…

当然か…

『何もしないよ、だけど、仲間でも呼んでここの人達運んであげなよ!ここに居られると迷惑だから』

そう言えばリーダーの男がよろけながらも立ち上がった

「他の奴らを呼べ!戻るぞ!」

バイクに跨ったのであたしも踵を返し校舎の所へ戻ろうとした

「あんた、何者なんだ?」

何者か…

『何者なんだろうね?ただ、言えるのは…』

振り返って

『あなた達が見てるのはたまたま通りかかった女ってだけ!』

にっこり微笑んであげた

「俺らは、あんたみたいに強くなれると思うか?」

強くねぇ…

『言ったでしょう、強さは力だけじゃないって!』

「今は守りたいものが何かなんて分かんねぇけど…もし、見つかってそれを守れる奴になればいいのか?」

守れる奴にねぇ…

『守りたいものを守るってのは、ボロボロになってもいいんだよ!それを何が何でも守ろうとするば強くなれんだよ!』

訳が分からないと言う顔をする男

まだ、分かんないかな?

『ふふふ、負けを知ってる奴は自分の力を知る事が出来る、負けをいっぱいしてる奴はその分強くなれる!負けが終わりじゃないって事を教えてあげる』

そう言って踵を返した

「俺は強くなる!あんたみたいには、なれないかもしれないけど守りたいものも見つけてみせる!」

少し大きな声であたしに言った

あたしは、振り返らず曲がり角を曲がった

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