桜龍

弱み

―ある男

pppppp

男のスマホが鳴った

「もしもし」

「来ていいぞ!」

「おー、悪ぃけど話はなかった事で!褒美もいらねぇから!じゃあ!」

ピッ

返答を待たずに切った

「いいんすか?話断って…」

男は軽く笑い

「こんなボロボロで行くのか?」

「そうっスよね…」

男は空を見上げ

「たくっ、女1人に男が負けたなんて、人生最大の汚点だよな…」

そう言う割にはスッキリして顔をしている

「帰んぞ!」

エンジンをかけ去っていった

「守りたいものを見つけてみるのも、いいかもな…」

そう小さな声で言って

< 181 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop