桜龍
そりゃ、驚くよね…

『綺麗でしょ?』

あたしは、にっこり笑って聞いた

「あ、あぁ…綺麗な龍だな…」

あたしは、自慢するように

『でしょ!でも、これをゆうくんに見せて怖がらせたくなかった…それだけだよ!』

この龍は、あたしの覚悟だ…

「なるほどな…」

『聞かないの?なんで、入れたのか?』

みなくんも、たっくん時代の仲間だ

見たことくらいあるだろう

「そうゆうことか…たくとは、少し違うな…まさか!」

気付いちゃったか…当然だよね…

『そう!あたしは、九龍12代目総長…そして、天龍会次期組長』

「天龍会…だと…」

驚くよね…

『そう、天龍会』

「て、天龍会は、数十年前に消滅したはずだろう!だから、今、双龍会がトップのはずだろう?」

みなくんは、やっぱり知ってた

『その通り。でも、消滅時の組長の意思で九龍総長の証の刺青の龍に何かを入れた』

「何か?何なんだ?」

それだよね…

『それは、あたしも知らない…彫り師の人も知らないんだって!体に害を与えるものではないみたいだよ。ただ、「継げる者には龍の色が変わる」そう言い伝えられていたんだって』

「継げる者…」

驚いたのかな?

『あ、もちろん父さんにも確認済み。天龍会を継げる者の証だって!』

そりゃ、父さんと同じ刺青が入ると思ってたのに龍の色が違うんだから!

驚いて聞いちゃうよ!

「そうか…天龍会を復活させるのか?」

『もちろん!本当は、双龍会を継ぐつもりだったけど…この龍があたしを選んだ…なら、あたしが復活させるべきでしょ!』

今はまだ、復活させるわけにはいかないけど、必ず復活させる!

「そうか…」

『ふふふ、驚きすぎちゃったかな?もう、聞きたいことはない?』

全てを説明しなくてもみなくんなら、ほぼ理解出来るだろう

「じゃあ、桜龍は紘ってことだな…聞いてたんだよ、噂を」

やっぱりここまで伝わってたのか…

『そうだよ』

後は、何を聞かれるのか不安だ…



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