桜龍
-はっ!

目を覚ますと朝だった

考えながら寝てしまったらしい

結局思い出せなかった

ベットからゆうくんを起こさないようそっと抜け出し顔を洗った

さてと、家に戻って制服に着替えて学校に行かなきゃ

涼は、何時頃に来るのかな?

簡単に朝ごはんでも作りますか…

住居スペースにもキッチンはあるので、今回はここを使わせてもらおう

冷蔵庫を覗いて何を作るか考えていた時に

ガチャッ

「おはよ、紘」

みなくんが起きてきた

『おはよう、みなくん』

みなくんが横によってきて

「朝ごはん、何作る?」

あたしが冷蔵庫を覗いていたから何か作ることを理解したみたいで聞いてきた

『今、考えてる』

この冷蔵庫も調理場と同様に何でも揃っているから何でも作れるからこそ困る

「ホットサンドでも作るか?」

悩んでいるあたしに助け舟を出してくれたみなくん

『そうしようか』

考えていても時間の無駄なので、みなくんが考えてくれた料理にしよう

みなくんに、ホットサンドに挟む材料を手渡しながら聞いてみた

『みなくんは、白龍の人達が今回の抗争に勝てると思ってるよね?』

「そりゃ、そうだろ!負けたら俺らだけじゃねぇぞ、歴代の奴らがあいつらを半殺しにしに行くぞ」

そうだよね…

『…あたし、今のままでいいのかな?』

今のあたしはアイツらにとってのお荷物

「守られるのがお前の性に合わないのはよく分かるけど…」

守られていると言うのがどうにもあたしには、合わない

『でも、あたしは戦ってはいけないんだよね…』

あたしは、白龍ではないから戦えない

白龍の奴らがどれだけ「仲間だ!」と言ってくれてもあたしは、戦えない無能なのだ

「戦うだけが助けとは限らねぇんじゃねぇか?」

『えっ?』

突然のみなくんの発言に驚いた

「俺は、戦うだけがあいつらのためになるとは思わねぇんだよな…戦うんじゃなくてあいつらを待っててやるのも助けになるんじゃねぇか?」

そう言ってあたしに微笑むみなくん

待ってやる?

そんなの何の役にも立たない

『待つなんて事、なんの役に立つの?』

「お前なら分かるんじゃねぇか?」

そういったみなくんは、不思議そうな顔をあたしに見せた

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