桜龍

そんな不思議そうな顔をされても困るのだけど…

「お前が戦えない時のことを思い出してみろ」

戦えない時の事？

あたしは、戦えない時のことを思い出してみた

あいつらは、あたしを見て

「必ず勝って帰ってきます！なので、帰ってきた時に「おかえり！」と言って俺らを迎えてください！」

そう言って戦いに行ったやつらを見送った時がある

『あぁ、なるほどね…』

勝つのを信じて待ってあげることも助けになる事すらあたしは、忘れていた

あたしは、戦うだけが助けになるといつの間にかその考えにしか辿り着かないようになっていたんだ

「戦う奴らにとって勝利を信じて待ってやることが大きな助けになるだろ？」

確かにそうだ

あたしも、戦えないやつらを残し戦いに行く時に言ったことあったな

『必ず勝ってくる、だから、信じて待ってろ』

あたし自身、信じて待つということを多く経験してないから忘れていたんだ

『そうだね、今回は信じて待つよ』

そう言ってみなくんを見るを頷いてくれた

『ゆうくん、起こしてくる』

調理をしながら話していたからいつの間にか完成に近づいていた

ゆうくんを起こし、3人で朝食を食べている時に、涼からメールが来て、10分後には迎えが来るとの事

迎えが来て、ゆうくんとみなくんに見送られ家に帰って制服に着替え学校へ行った

いつも通り変わらないように見えても、白龍に関係のある奴らの顔付きが違う事がすぐに分かった

ナオやしゅうは、あたしが何も知らないと思っているのかたまに、抗争のことについて話している

あたしは、聞いてないふりをして過ごしている

今のあたしは関わってはいけない

そう思い込んで過ごしていた