桜龍
そりゃ、どんな人でも自分の知らない相手の子供の面倒なんて見る奴なんていないだろうな…

子持ちと分かれば手のひら返したように向こうから振るだろうな…

「まぁ、この問題が先代のものなら、出ていって何とかしてもらうのが筋だろうな…」

『…でも、先代の人間の仕業だっていう証拠がなければ動かないでしょ?』

あの人は絶対的な証拠がなければ動かない

「そうなんだよな、それが問題だな…」

証拠ねぇ…

あたしが、派手に動けばバレる

『手伝ってあげたいとこだけど、あたしが動いた事が分かれば先代も黙っちゃいないよね…』

先代、つまりおじい様はあたしと父さんが自分を潰すつもりだと勘違いしている

あたし達は潰すつもりなんて毛頭ない

ただ、もう引退したのだから組の事に関わらないで欲しいのだ

今は父さんが組を管理し、統括しなければならない

でなければ、他の組にも示しがつかない

「もちろん、こっちで証拠を見つけるつもりだが、お前の力を借りることになるかもしれん」

あたしの力なんてたかが知れてる

『あたしに力なんてないよ、でも、出来ることがあるなら何でも協力するよ』

当然の事だ

「あぁ、助かる。お前の【Butterfly】の力を借りたい」

Butterflyの力?

『なら、リーダーに伝えておくよ、そうなると、お金が発生するけどいい?』

あたしの力、つまりButterflyの力を借りるとなるとどうやっても料金が発生する

「あぁ、構わない。依頼として受け取ってもらえるか?」

受け取るも何も

『もちろん、受け取るよ!但し、リーダーが反対すれば受け取ることは出来ないよ。』

あたし達の最終決定権は、リーダーにある

そうそう簡単にリーダーが拒否する事はないから大丈夫だとは思うのだけれど…

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