桜龍
「それは、そうかもしれないけど…俺は…」

――ポン

頭に優しく手が乗せられた

「まぁ、紘も許してやれよ!こいつなりに、考えた答えなんだよ!」

『あたしは、別に怒ってるわけじゃないんだけど…』

そう、確かに怒りがないわけではないけどあたしが聞きたいのは

『どうして、信じてくれなかったの?』

あたしが、知りたいのはその理由だけ…

「俺が弱かったのもあるだろうけど、人を信じきるのが怖ったんだ…」

『…そっか、まだ、誰かを信じるのは怖い?』

「いいや、信じてなかったらここには居ない」

あたしは、けいちゃんの過去を知ってるからけいちゃんを責めちゃダメだ

『そう、それはよかった・・・』

心からそう思った

「よかったな、けい」

みなくんが優しく見守っていた

「あぁ」

「けいは、紘を信じきれなかったのが心残りだったみたいでな」

まぁ、信じてくれなかったことに対しては悲しさはあるけど

『でも、戻ってきた時には連絡が欲しかった…』

「ごめん」

フルフル

『いいよ、信じてあげきれなかったあたしのせいでもあるから』

ほんとに、そうだ

「これでお互い様だな、紘、けい」

ふふふ、確かにね

「ほら、とりあえず部屋に行っとけ!」

「あっ、そうですね!」

涼が反応した

「とりあえず、いつも通りにテキトーに持っていくから」

「お願いします。」

みなくんとけいちゃんが、奥に行く

『ちゃんと、説明して欲しんでしょ?話すよ』

「ありがとう、とりあえず、部屋で聞いてもいい?2人も聞きたいみたいだし」

チラッと階段の壁を見た涼

やっぱりね、

「バレてたのか…」

晶、それでバレないと思った方がビックリだよ

あたしだって、わかってたけどけいちゃんに理由を聞く方が先決だと思ったから放っておいたけど

『ちゃんと話すよ』

魁斗に先導され二階の部屋に入った

座敷の大部屋と呼ぶにふさわしい広さだった

「紘ちゃんは、ここに座って」

指定されたのは何故か魁斗のとなりだった

『あたしが隣でいいの?』

「あぁ…」

とりあえず、魁斗の了承は得たしいっか…

魁斗の隣に座って一呼吸おき

『で、何から知りたい?』

前と斜め前に座る涼と晶に問いかけた

「そうだなー、とりあえず、湊人さんと圭哉さんとの関係性を教えて欲しいな」


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