桜龍
関係性…

『あたしの兄的存在の人の後輩』

サラリと答えた

これで、間違はない…

「兄的とは、血縁関係のないお兄さんなの?」

血縁関係はないけども…

『血縁関係はない、けど、家ぐるみで関係はある…まぁ、そこは複雑だしこの話には必要ないので聞かないで…』

たっくんのこと、話すだけで墓穴掘るのは確実だし

「分かった、じゃあ、圭哉さんに怒ってた理由は?」

怒ってたね…

『怒ってたってよりも、信じてもらえなかった事への悔しさかな…』

「信じてもらえなかった悔しさ?」

ズバッと聞くね、涼さん…

ふぅ、と一呼吸おき

『さっきも、言った通りみなくんとけいちゃんはあたしの兄的存在の人の後輩、幼かったあたしもあの2人も含めいろんな人を兄と同じように接してた。』

あの2人以外にもあきちゃんやいろんな人たちがそうだ

『けど、みんなそれなりに進路が決まれば離れていく、それは、幼いながらに分かっていたしみんなあたしを妹のように思っててくれたみたいだから、あたしが悲しまないように教えてくれてたの。まぁ、あたしの兄的存在が義務付けしたんだけどね…』

そう、たっくんが他のみんなに「道が決まったヤツはとりあえず紘には伝えろ!」て、言ってたからあたしは、他の人の道を知っていた

たっくんは「とりあえず、やりたいことのために家のこと片付けてくる」と、言ってあたしの元を去った

あきちゃんは、「たくさんが誘ってくれたとこに行ってきます」と、言ってた

それが今の学校なんだろうけど…

だから、あたしはそれぞれみんな報告してくれてたからけいちゃんも報告してくれると思ってた

『後から知ったことだったんだよね…』

そう、けいちゃんのことは後から知らされた事だった

みなくんが「けいがいつでも戻ってこれる場所と準備をしとく」と言ってたけど…

みなくん自身もけいちゃんの居場所は知らないと言っていた

「何を知ったんだ?」

隣の魁斗に問われた

『けいちゃんが、ヤクザに売人をやらされてたこと』

そう、けいちゃんはヤクザにクスリの売人という非常に危険な役目をやらされてた

「売人…クスリ…」

『あぁ、大丈夫、けいちゃん自身はやってないよ、さっき見て確信したし、特にみなくんがクスリを嫌ってたから』

そう、みなくんはクスリのせいで大切な人を失ったって言ってたことを聞いたことがある

「そーいえば、湊人さんクスリのことに関してはいつも鬼のように変わってたよな…」

鬼か…

ん?変わってた?

もしかしなくても…

『あのさ…』

間違いであってほしいけど…

『みなくんとけいちゃんって白龍の関係者?』

涼も晶もぽかんとして

「関係者って、2人とも元幹部だよ」

ですよね…

うん、たっくんが元白龍総長なんだから考えられないことはない…

でも、けいちゃんはいつから白龍にいたんだろう?

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