桜龍

｢紘ちゃん、とりあえず、ご飯食べながら聞きたいことを聞いてもいいかな？｣

まぁ、答えるつもりだけど

『1つ言っておくけど、けっこう複雑なとこは、簡潔的に伝えるよ。それと、触れてほしくない質問は答えないから、それでもいい？』

涼を見れば

｢もちろん、言いたくないことは無理には聞かない。約束するよ｣

それなら、いっか

｢関係は？｣

横から声がして隣を見れば魁斗があたしをしっかりと見てる

『誰と？』

少し口数少なくはないかい？魁斗くんよ

｢まなみさん｣

『うーん、まなねぇはけっこう複雑なんだけど簡単に言えばお姉ちゃん的な一人で、聞いてたとおり仕事仲間でもあった』

もうちょい複雑な関係なんだけどもこれを話すとあたしが元暴走族の人間だってことを話す必要もあるしね

｢思ったけど、紘ちゃんここに知り合い多くない？｣

あたしも思った

『この地域はさっき言ったあたしのお兄ちゃん的存在な人がいるからたぶんそのせいかと思う、お兄ちゃんけっこう人望厚い人なんだよね』

うん、確かにたっくんのせいであきちゃんやみなくんやけいちゃん、さらにはまなねぇにも会ってしまったんだよな…

後は、誰がいるのかもう想像もしたくないわ…

｢へぇ、そうなんだー！｣

うん、そうなんですよ

｢じゃあ、ゆうくんとの関係は？｣

あっ、やっぱり気になるよね…

『一時あたしが預かって育ててた子だよ、その後はあたしの信頼できる人に任せてた』

ゆうくんは、母親も父親も思い出したくないだろうな

｢どうして、紘ちゃんが預かってたの？親御さんがいたんでしょ？｣

やっぱり、涼なら聞いてくると思った…

チラリとけいちゃんを見て、その視線に気づいたけいちゃん

｢ゆう、俺と料理を作ろう！何を教えて欲しい？｣

｢まえ作ったやつ！！｣

けいちゃんが発した言葉にゆうくんは乗った

｢前？あぁ、あのケーキか！分かった！教えてやる！来い！｣

｢わーい！ママ、いってきます！｣

『いってらっしゃい、ゆうくん！』

｢あーい！｣

膝の上から降りてけいちゃんの後を追って行った

『あのね、ゆうくんの前で親の話は禁句なの、たぶん、覚えてなくてもきっと雰囲気で分かると思うから…』

｢え？｣

｢虐待か？｣

さすが、魁斗さんです…