桜龍
そう言えばみなくんは、顔を伏せている

そして、顔を上げ

「そうだな、俺が親から虐待を受けていたから、虐待していたゆうの母親が悪いと思い込んでたけど…」

そういえば、みなくんは親から虐待受けてたんだっけ…

「子供の幸せを願えれる母親はいい親だな!虐待だけは、絶対に許せねぇけど!」

確かに、そうだね…

虐待だけは、確かに許せない…

けど、あの母親だって虐待がダメなことくらい分かってたが、何度もやめようと努力しても、どうしても恐怖の方が勝ってしまうんだって、言ってたなぁ…

『今、ゆうくんが笑って幸せに過ごせているならあの母親も報われるんじゃない?』

みなくんの目を見て言えば

「俺らがゆうをちゃんと育ててやるぜっ!」

みなくんが、育てるとゆうくんも不良になりそう…

それだけはやめてよぉ…

『グレさせないでよ…ゆうくんがグレたらあたし、立ち直れないかもしれないから』

泣き真似と冗談交じりに言えば

「いや、男はグレて成長するもんだっ!なっ!そうだろ?」

白龍のみんなに問うのかい!

涼以外はみんな顔を反らしていた

「それは、人それぞれですよ、一概にそうだとは言えませんよ」

うん、涼はなんとなくグレてないような気もするけど不良という点でグレてるのかも…

「まぁ、ゆうの好きに生きるのが一番だな」

そうだね、確かにね…

『さて、ゆうくんの件も片付いたことですし、ゆうくんが居ないうちにゆうくんが関係する事を答えますよ、もちろん、答えたくないものもあるので、それはノーコメントでよろしく!』

さて、今度は白龍のみんなの質問にあたしが答える番だね

「とりあえず、いろいろ聞きたすぎてどうしたらいいのかわかんないんだけど…」

あたしも同じ立場だったら間違いなく困惑するな…

「何で、ゆうは紘のこと名前で呼ばないんだ?」

そこが気になるのね、魁斗くんは

『確か、ゆうくんをあたしが守ろうって決めた時に、ゆうくんに『これからは、あたしがゆうくんのママだよ!』的な、ことを言ったからだと思う』

いつの間にかそう呼ばれるのが普通になってたからあまり覚えてないけど確かそんな事を言ったような気がする…

「なるほどな…」

ご理解して、いただけて良かったです

「じゃあ、紘ちゃんがゆうくんを預かった時期とまなみさんから逃げてた時期はいつごろ?」

涼に聞かれた

預かった時期と逃げてた時期かぁ

『ゆうくんを預かった時期が中学2年の頃だったかな?で、逃げてた時期が中学の頃かな?でも、逃げててもたぶんみなくんたちが預かるまでは会ってたよ。』

霜月があたしに会いに来る度にゆうくんを連れてきてくれてたから

「ありがと。分かったよ!」

それは、よかった

『とりあえず、ゆうくんに関係することはたぶん今見てたからないよね?』

あたしが涼と魁斗と晶を見た

まぁ、ゆうくんに関することは見てれば大体はわかるよね…


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