桜龍

関係

｢えっと、じゃあ、一旦整理しようか…｣

ごちゃごちゃになっちゃったもんね

『そうだね』

｢まず、湊人さんと真奈美さん、それから圭哉さんとの関係は、紘ちゃんのお兄さん的な方の友人ってことで合ってる？｣

あたしに、正解がどうかを聞いてきた涼にあたしは

『うん、合ってる』

間違いないと主張した

｢じゃあ、紘ちゃんと真奈美さんが言ってた｢仕事｣とは、どうゆうこと？｣

うわ、そこは忘れてほしかったわ…

『まなねぇの仕事をみんなは、知ってる？』

｢モデル関係の仕事だろ？｣

魁斗が答えるなんて珍しい

｢モデル関係は、曖昧よ、魁斗｣

うん、確かにね…

『モデル関係ではあるんだけど、モデル育成の仕事だよ…』

｢あれ？真奈美さん、前はモデルのマネージャーだって言ってませんでしたか？｣

まなねぇは、キョトンとして涼を見てる

｢そんな事言ったっけ？マネージャー代行をやってた事はあるけど…｣

曖昧なのは、まなねぇも変わんねぇな…

｢聞いたのはお酒を飲んでいる時だったので忘れてしまっても仕方ないですね…その時、真奈美さん結構酔っ払っていたので｣

そりゃ、ダメだ…

アハハと笑っているまなねぇ

『そりゃ、ダメだね…あのね、まなねぇの仕事は新人モデル育成プロジェクトの創設者なんだよ』

｢そうなんです！｣

誇らしげに笑ってるけどさ…

『あたしは、そのプロジェクトのモデル育成の第一号なの…』

｢紘ちゃん、モデルやってたの？｣

驚くよね…

まなねぇのことを聞いてくると思ってなかったんだもん…

『やってたってよりも、ちょっとカジったくらいだよ。小学1年から5年までしかやってなかったし、キッズモデルだったしね…』

｢何言ってんのよ！5年もやってて！あのままモデルやっててら今頃大物モデルになれてたのに！｣

話に割り込むな！進まねぇから！

｢そんなに有名だったの？｣

涼も真に受けないで！

『まなねぇは、話に割り込んでこないでよ！』

なんとかしたくて、みなくんに〔Help〕の視線を送れば、それを感じ取ったみなくんが

｢あー！そーいえば、まなねぇ。」

｢なによー！｣

まなねぇが不貞腐れながら返答した

｢さっきな、1階の客が呼んでたから行ってこい！｣

｢えー、誰？｣

呼ぶ人いるんだ…

｢一階の大広間、確かまなねぇの取引相手って、さっき言ってたような…｣