桜龍

｢まだ、あいつらに会ってねぇの？｣

あいつらとは？

『誰？』

｢えっ！おい、魁斗！紘って幹部全員と会ってねぇのか？｣

｢はい、今日顔合わせします。｣

あ、そっか…

みなくんは白龍の先輩だもんね…敬語なのか…

｢ふーん、なら、教えねぇー！｣

鼻歌を歌いながらあたしが持っていたお皿を持って部屋から出ていった…

なんなの？

｢あのねー！｣

ゆうくんが教えてくれそう…

『うん、何？』

あたしの膝の上からゆうくんが消えた

｢ゆう、秘密だぞっ！｣

けいちゃんがゆうくんの口を塞いでた

もごもご言ってるよ

『ちょっ！ゆうくんが可哀想だよ！離してあげなよ！』

｢こいつが秘密バラしたら面白くねぇだろ！主に俺らが！｣

やっぱりテメーらかよ！

分かってたよ！

くそっ！

驚いても絶対にネタになんかされるもんかっ！

｢もうすぐ、涼が迎えにくる｣

そういえば、いい時間だね

『じゃあ、下で待ってる？』

｢そうだな、晶行くぞ｣

｢おぅ…｣

眠そうだな…

ゆうくんがあたしに向かって手を伸ばしたのですぐに抱っこして欲しいのだと思い抱っこした

『ゆうくん、重くなったねー！』

あたしが育ててた時は軽々と持ち上げられてたのに

｢えへへ！｣

ゆうくんは、更に抱きついてきた

下にみんなで移動して涼を待っていたらすぐに迎えの車が見えた

｢あっ！紘！｣

調理場から小走りでみなくんがきた

『ん？』

振り返ってみると

｢調理場、すげぇ綺麗になってた！ありがとな！｣

あぁ、そういえば昨日使ったであろう調理器具やらお皿やらを昨日のかたづけついでに洗ったっけ？

『あぁ、別にいいよ。』

｢掃除もしてくれたみたいだな！マジで助かる！｣

掃除もそーいえばしたわ

これも片付けついで

『どーいたしまして』

涼が車から降りてきた

｢おはようございます。体調は、みなさん、大丈夫そうですね！｣

とりあえず、みんなの心配をする心配り

さすがです

｢おはよう、紘ちゃん。｣

うん、嘘っぽい笑顔だけどこれもクセの一つなのだろう

『おはよ、ほら、ゆうくんも』

ゆうくんを降ろして

｢おはよー！｣

涼に向かってあいさつをした

｢おはよう、ゆうくん｣

涼もゆうくんの目線に合わせ返してくれる