桜龍

幼馴染み

そんなことを考えながら、スマホで時間を確認したら

そろそろ迎えが来るかも…外へ行こう

朝下ろしてもらったコンビニへ行くと黒い高級車が停まっていた

一際目立つからすぐに分かった

中からすぐに涼が出てきてくれた

『ごめんね、待った?』

電話して少し思い悩んでいたから、あんまり時間をきにしてなかった

「ううん、大丈夫だよ。どうぞ」

ドアを開けてくれた

やっぱり涼は紳士だ

お礼を言い、車に乗り込む

『今日はみんないるの?』

そう言えば、そんな事も言ってた気がする

「うん、昨日いなかった2人も今日はいるはずだから。話はしてあるから顔合わせくらいだよ。」

2人か…

白龍の幹部は5人か

あたしのとこは6人だったな

墓穴掘りそうで、怖いな…

「怖い?」

突然涼に、質問され何を怖がるのか理解できない

『何が?』

そう問えば言いにくそうに

「俺たち暴走族が」

あちゃ、その言葉はあたしには聞いちゃいけないものだな

『ううん、全然怖くないよ。見た目は怖いかもしれないけど、あたしはみんなちゃんと自分の意思をしっかりと持ってる目をしているから、怖いなんて思わないよ。』

目を見れば大体分かる

今までそうやって来たんだから、あたしの人を見る力をなめてもらっちゃ困る

でも、涼だけは読みにくい

「すごいね、そんな事言われるとは思ってなかったよ」

横の涼を見ればとてとも驚いた顔をされた

あぁ、ここは嘘でも『怖い』と言っとくべきだったかな?

でも、嘘をつきたくなかった…

今までのがあたしの『普通』が、今ではどれが普通なのかが分からない

――キィー

「着きましたよ。」

運転手さんに言われて倉庫に着いたことを知った

「どうぞ、紘ちゃん」

先に降りてドアを開けてくれる涼

やっぱり、紳士だな

『運転手さん、ありがとうございます。』

ぺこりと頭を下げれば、ルームミラー越しに

「いえ、どういたしまして。」

顔にはキズがありサングラスをしていて怖いけど、とても丁寧な人だ

『涼、ありがとう』

ドアを開けてくれた涼にお礼を言い、車を降りた




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