桜龍
これは、少しの間使えないな…

仕方がないか…

『Tiger、少しの間お前は休め。その間の仕事はあたしがやる。お前はリーダーの家で休め。リーダーには、あたしから伝える。』

リーダーは、あたしたち組織の最高幹部をまとめている人物だ

あたしは元々リーダーに育ててもらったハッカーの1人

リーダーの素性は誰も知らない。

あたしも知らない…

よくそんな素性の知らない人から教えてもらったもんだとも思うけど、困った時や悩んだ時にはいつも適切なアドバイスをくれるし助けてくれる

今回のことも伝えればTigerのことは、なんとかしてくれるだろう

「じゃあ、俺とのパートナーは解消と言うのか?」

まったく、すぐにマイナスで考える

『ちげーよ!あたしのパートナーはお前しかいない。けど、よく考えろ。今の状態のお前が仕事をしてみろ。失敗をするだろ!仕事の効率が落ちる事くらい今のお前でもわかるだろう?』

いくらヘコんでいても一流ハッカーの1人なのだ

それくらいはわかるはずだ…

「そうだけど…」

『だから、お前は少しの間休め。それにお前は働き過ぎだ。少しは休暇も必要だ。』

確かにこいつは、休み無く働いていたと聞いたし、少しは息抜きも必要なのだ…

「わかった…」

あまりいい返事ではないが、まぁいいや

『リーダーには、あたしから伝えておこう。Tiger』

「ん?」

声を聞くだけではヘコんでいるようには聞こえないが長年パートナーとして付き合ってきたからわかることなのだろうが

『あたしは、お前を信じている。必ず帰って来い。もう一度、再スタートしよう。Tiger。』

――パートナーのミスは、自分のミスでもある。――

これも暗黙のルールの一つだ

「うん、必ず戻ってくる!だから、少し待っていてくれ!そして、もう一度俺とパートナーを組んでくれ!Butterfly。」

それでこそあたしが見込んだハッカーだ

『あぁ、待っている。しっかり休んでこい。』

「わかった、ありがとう。」

――ピッ

これで、こいつは大丈夫だ



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