桜龍
今でこそ、Darkness Eternalは何百とのハッカーを抱えているが発足当初は、ハッカーはほぼあたしだけだった

リーダーとあたしで立ち上げ、発足させたが、リーダーは支えるサポートの方が得意だと言い張りハッキングの仕事は全てあたしがやっていた

リーダーも、天才ハッカーだが、どちらかといえばあたしの方がハッカーとしてのレベルは確実に上だ

経験も知識もリーダーよりもあたしの方が上だということは、明確だ

リーダーが得意なのはハッキングではなく人を陥れることなのだ

陥れるといっても、悪いことばかりではなく、たとえば無名ハッカーを組織に入れ有名ハッカーとすること

もちろん、悪い方の陥れることもする

やり方がえげつないが…

今までそうやって名を挙げてきたあたしが、膨大と言われている今の仕事の量をこなせないというのか…この子は…

「仕事には期限ってものがあるんですよ!それと緊急のものだってある!そんなのが同時に来ることだって日常茶飯事なんですよ?それを一人で片付けられるって言うんですか?無理に決まってますよ!」

そりゃ、期限のない仕事なんてあたしたちハッカーの世界では、ないよ…

だからといって、この子と組んでもあたしには何のメリットもない

この子は自分の力を過信し過ぎだ…

『片付けられるよ。それに、期限だって守るよ。』

あたしが『組む。』と簡単に言わないからどうにかして言わせたいのだろうが、あたしは、1度決めた事は最後までやり通す主義の人間だ。

そう簡単に決めたことを曲げやしない。

「なんで、Tigerさんを待つんですか?別に先輩のパートナーは、あたしだっていいじゃないですか!」

なぜ待つのか、か…

『決めたんだよ。あたしのパートナーはTigerしかいないって、それにあんたは自分の力を過信し過ぎだ。そんなあんたと組んでもあたしには何のメリットもない。』

ここまで言っても、この子は理解しないだろうな…

「あたしが自分の力を過信し過ぎているですって!あたしの実力は先輩にも劣らないくらいです!過信し過ぎているなんて有り得ません!」

あぁ、めんどくさいな…

『じゃあ、もし組んだらあたしに何のメリットがある?』

どれだけの得があたしにあるのかな?

「そりゃ、先輩が抱えていらっしゃる仕事量が減り楽できます。」

『…そんだけ?』

あそこまで言うからもっとあたしに対してのメリットを言ってくると思ってたのにたったのこんだけ…

「そ、そんだけって…仕事の量が減るんですよ?楽になるんですよ?」

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